上野ムンク展
ポスター写真にもあるように、比較的誰でも知っている有名な絵である。
展示では幼少からの晩年に至る人物史を語りと対比するように作品が配置されている。
それがムンクの絵を理解する上で手がかりとなる。
母親を含めて結核による家族の死、自らの病など、ムンク自身が悩み大き自分が常にあった。
その自分を見つめた中で、作品には、自分を描いたもの又は、自分がどこかに描かれた作品も多い。
「叫び」については、30歳の作品で、ノルウェーのフィヨルドを見た時に自信を貫く叫びを感じたという作品だ。自身の心からの叫びと大地の浪々とした夕方の光景が一体となったものと考えられる。
前後の作品と解説の中から、本人を取り巻く人生の必然性の中で生れた作品と理解できる。
全体的には暗い作品が多いが、「太陽」という作品が展示の最後に掲げてあった。
これは一転して自分を解き放つ作品として興味深かった。
ムンクを理解する上で大変良かった展示会だった。
13時ごろに会場を出てきた時には、平日ながらチケット購入に30m以上の人の列があった。
今日はこれで上野は終了だったが、フェルメールがもう一つの上野の秋の目玉だ。