革エプロンおやじ

おやじのポケットの中身を紹介していこう!

皆さん、こんにちは。革エプロンおやじです。

還暦を迎えたおやじのポケットの中身を紹介して行きます

男性目線からの生活の楽しみ方になりますが、女性ブロガーも歓迎です。

草木染めへのトライ

今まで藍染について書いてきた。ここでのタイトルは草木染めと書き、藍染以外の草木染めが適切な書き方かもしれません。ここでは赤色の発色の蘇芳(すおう)と黄色発色の櫨(はぜ)ついて行いました。

いずれも木のチップが販売されているので、それを購入して、鍋に入れた沸騰水で20分くらい煮出します。それをさらしでろ過し、煮液を使います。更にろ過されたチップを再度鍋に入れ新たな水を入れ、同様に20分の煮沸し、ろ過し、2番煮液をつくります。これを始めの煮液と合体します。ろ過した時の蘇芳の写真です。これが

一番良い色であるとも言えますね。

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今回は、普通の綿Tシャツ(もちろん白)、無印良品で売っているオーガニックコットンのTシャツ(普通のものより、やや薄く、横方向に厚さの織ムラがある)、シルクのブラウス(着なくなったシルク襦袢をブラウス風、女性用シャツ風に縫い直したもの)をそれぞれ被染着物(染められる素材、糸)とした。これらは予めモノゲン洗剤で洗濯しました。

綿については、草木では染まりが悪いので、タンパク質付けが必要である。今回は市販の無調整豆乳を2倍に水で希釈したものを用いました。同様に牛乳で行う事も出来ます。これの処理の後は、外で一度干して定着させます(これが面倒ですね)。一度一方、シルクは綿とは異なり、草木で染まりますので、豆乳処理は行いません。綿はもちろん綿花から作る植物由来なので、同種の草木では染まらず、カイコからできるシルクの動物由来のものはそのまま染色ができる事になります。羊毛も同様の動物由来となります。

それぞれ、被染着物は予め40℃くらいのお湯に5分程度浸し、水になじませます。それを50~60℃の蘇芳液が入ったボールに漬けてユラユラ動かしながら20分の染色を行いました。この時の蘇芳液は3リットルでした。その後にアルミの媒染液(ミョウバンをお湯に5%溶かしたもの)に20分付けた後に、水洗する事数回。その後に外で干しました。その時の写真が下にあるものです。

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手前の2枚が櫨(はぜ)による綿Tシャツ、3枚目がオーガニックコットンTシャツを蘇芳の後に櫨で2度染めしたもの、4枚目が蘇芳染めの綿Tシャツ、5枚目がシルクを蘇芳染めしたものです。

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これが蘇芳(すおう)で染めた赤の素材による違い写真です。右がシルクで一番良い色が出ている、左が普通のTシャツ、下がオーガニックコットンTシャツでこれの染めがやや弱い。これを見るとやはり昔の着物文化はシルクであり、これに様々な色を草木で行っていたのがわかる。さすがシルクと言える。それは動物由来という事と、織り糸が細いので布自身が目が密に織られている事もある。

この写真にある下のオーガニックコットンTシャツは、後に櫨染めに回り、上の写真の3枚目のものになりました。黄色が入る事でピンクのような色になりました。

令和元年の即位の式典で来た黄櫨染(こうろぜん)の法被には、この2色が少なくとも用いられているのではないかという話がありトライした次第です。色としては程遠いものになってしまった(テレビで見ている感じでは茶に近い色)。ただ、今回それぞれがどのような色になるか、2度染めがどうなるか、被染着物の素材による違いも解ってきたので一つの収穫になった。加えて、藍染と草木染のの違いも見えてきた。それぞれの特徴があって面白い。藍染は綿、麻に比べるとシルクは向いていない。それぞれの得意とする素材で育っていったのも良く分かった。今は草木染から、最後のすくもを使った藍染に戻った次第だ。

もちろん染めたものは自分で来ているし、これをもらって楽しんでくれる人にも提供している。私が来ているのを見て、これって究極のおしゃれだね、と。