革エプロンおやじ

おやじのポケットの中身を紹介していこう!

皆さん、こんにちは。革エプロンおやじです。

還暦を迎えたおやじのポケットの中身を紹介して行きます

男性目線からの生活の楽しみ方になりますが、女性ブロガーも歓迎です。

藍葉による生葉染め

庭のタデアイを乾燥した葉については、発酵段階に入り、進行している。これは自然が相手なので時間がかかりそう。3カ月ともある。これについては改めてまとめるつもりだ。

藍葉による染色には、発酵してスクモにして行うものと、庭や畑に生育している生葉をそのまま用いる方法がある。染色の経験もないために、生葉による染色をトライした。

まずは、最もシンプルな叩き(たたき)染めです。

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藍葉の生葉の裏面を布と接するように置き、上から梱包用のテープ貼り、上からトンカチ等で均等に叩く手法です。叩いた後にテープを剥がし石鹸で洗った写真が3番目の写真です。剥がしたテープを貼った様子は4番目の写真。茎からの葉脈の根元の部分を少し除去して行ったので形状が同じのがわかります。グルコース体を構造内にもつインジカン(無色、水溶性)が葉を叩くことで酵素がこれに働き、インドキシル(無色)に変わり、これが酸化する事でインジゴ(青、固体)になる。叩く事でこの一連の工程が布上で起きる。スタート時の知識もこの程度で始めているのでどの程度叩くのもうまく分からずに始めている。一番初めの写真が1回目のトライ。結構叩き完全に葉の構成がつぶれている。そうすると、葉緑素自身がつぶれて緑色が多くなる。特に上部は色が濃く、葉の形体を変えにじんでいる。洗ってもうまく落とせない。

その反省を踏まえ、先の丸いもので緩やかにトントンしたのが2番目、3番目。様子がわかって4番目。葉緑素の部分が残っているが、フレッシュブルーの部分が葉全体に行き渡り、きれいに葉脈の部分(この部分に、インジゴになる成分はない)の模様もきちんと見える。

ある程度うまくいったので、テープ付き葉も記念写真。

この葉も既に摘みたて時のフレッシュグリーンは黒い葉に変わっている。布に移行しない残留インジゴも多い感じです。

ここで用いた布は綿のザック生地。家でフランスパンなどの成形時に用いているもの。既に代替わりしているので、私に供され自由になったものだ。

次に、生葉染め。水に抽出して、染め液とするものです。

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収穫してきた葉を乳鉢に入れてコネコネ。潰したものを水を混ぜてろ過してビーカーに。写真はビーカー内には既に布(綿の布巾)と革で用いる麻糸。20分付けて干す、洗う。それを何度か繰り返す。

染めて乾かしたのが、下の写真。

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フキン(上左)、木綿のハンカチ(上右)、

シルク布(下左)、ヌメ革(下右)に並んでいます。

背面には先ほどのザック生地を置いています。この方が写真として色目が表現しやすいので。

まずは、フキンがどこまで染まるかを試しており、5~6回は繰り返している。フレッシュブルーの色合いは結構濃くなった。ハンカチも綿だが、やや検体が大きく数回程度で薄い青に。綿よりもシルクが染色しやすいというのがあり、トライ。新たに買いにでないと我が家に適当なのはないかなと考えていた。着物にはちょっと手がでず諦めていたが、ふと思い出したのが、結婚式時に着ける白いネクタイ。3本あったので、古い一本を供出して断片に切って使用。やってみると何か変。ネクタイには汚れ防止のコーティングが施されているので、撥水性がある。それを石鹸で一度ゴシゴシ洗うと染色にOKとなる。それが上の写真。確かに良く染まるかなとは思っているが、糸が細く、布のキメが細かいので有利なのかなとも思える。家にある16倍のルーペで観察すると、いずれも繊維1本1本が染色されているのは見えるのだけど、染め具合を比較するには難しい。

下右が牛のヌメ革。染色の施していないもの。写真はトコ面(裏側)。こちらは処理なしなので何か染まりだしたが、銀面(表面)はあまり変化なく、やや期待外れ。浅草橋の革屋では、藍染の革というのが売っているのを見た事があるので、できれば面白いと思っていたのに。

今回は叩き初め、生葉染めであり、どこまで濃い青が出るのかなを確認したかった。

上にはフレッシュブルーと書いたが、これを「みはなだ」または「みずはなだ」というようだ。漢字では水+糸へんに票(つくり)。藍染めの薄い色で明るい青色という事で万葉集にも確認できるとある。従って、今回の生葉染めの色については、みはなだを得られたという事で満足すべきものと考えて良さそうです。