芸大の卒展の面白み
東京芸術大学の卒展に行った。上野の学内と東京都美術館の両方で行っている。
日本画、油絵画などは、凄いと思うものもあるが私に取っては理解に苦しむものも少なくない。
それに比べると彫刻系は迫力がそのまま伝わってくる感じがするものが多い。
上の写真でもそうだが、1人の学生の作品が一つの教室の中に展示されている。
それぞれが1m高さ程度のつなぎ目なしの1本木からの彫刻だ。
この雰囲気の中に入ると像の群れの中で圧倒され、話かけられて来るような感覚。
恐怖感すら覚える。家には欲しくない、怖い。
学内の庭には名前が書かれた直径1mx長さ1mある丸太の切りかけや、同サイズの大理石などがゴロゴロしている。学生が作品を作るために、方々から原木、原石を自腹で購入してきて、作品になる番を待っているものだ。ここの学生には、この丸太の中に写真にあるような子供達や神の存在が見えるのだろうなと思う。それをベールをとって露出するのが彫刻なのだろう。このクリエイティブ差が彼らの凄いところだ。
この大学の美術系の学生の4年生卒業時には昔から個々の作品の他に自画像の提出が課せられる。それもここで見ることができる。
それもそれぞれの専攻の中で個性が異なるのも面白いものだ。
こうした刺激を受けて、私にもそんな視点があったら周りのものがどんな風に見えるのだろうかと、上野の森の中で思う。