革エプロンおやじ

おやじのポケットの中身を紹介していこう!

皆さん、こんにちは。革エプロンおやじです。

還暦を迎えたおやじのポケットの中身を紹介して行きます

男性目線からの生活の楽しみ方になりますが、女性ブロガーも歓迎です。

藍染の発酵建て開始:スクモ固すぎ!

梅雨も終わり、猛暑の季節になりました。昨年に収穫したタデアイで作ったスクモ(蒅)を使って藍染を開始しました。

まずは、早々にアクシデントです。

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これが今回のスクモです。170gの表示ですね。

その後、開始直前に量ったら150gと出ました。更に水分が抜けたかと感じました。

開始にあたり、このスクモの塊(かたまり)を砕いて、小さくしてはじめようと考えました。触れただけでわかるのですが固い。

そこで、マイナスの大きめのドライバーと木槌を持ってきて、スクモにドライバーを突き立てて叩く、叩く、叩く。これがビクともしない。固い。水分なく、固まり、石、化石の用です。困った、想定外。

スタートは、スクモに木灰と熱湯を加えます。これでPH11相当のアルカリ液になり、塊は固くとも、この段階にならば、吸水して軟化に向かうかと思い、崩すことを止めて先に進むことにした。

困った、ビクともしない。

一晩そのままにし、翌日に見ると、ほとんど変化なし。固いものは固い。

そこで、テーブルの上にカッティングボート、新聞紙、アルミホイルを引いて、スクモを取り出し、今は使用しなくなった大きめの包丁(牛刀かな)を持ってきて、上から力を入れて、体重を乗せて、グサーッ。やっと包丁が入った。

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これがスクモを包丁で切ったときに断面写真です。表面は吸水効果か黒っぽく変色層が見えるが、内部には浸透せずに密度が高いままだったのがわかる。

昨年の同じようにスクモ作りをやったのだが、その時にはタッパー(蓋つきの密閉容器)に入れていたので、それほど乾燥は進まず小さい粒がボソボソしている感じでこんなに固くなく、開始時のアルカリ水の吸収は容易だった。一方、この塊は、容器の上をガーゼで覆い、容器に対してゴムで止めただけだった。乾燥している分、水分が来れば驚くほどに吸水するだろうから、それも面白いなと。むしろ容器の中でコロコロ転がり、いろいろな小さい塊りも取り込んで行くのも面白かった。それがここまで固くなるとは思ってもいなかった。

結局1~2cmほどの塊に切って、液体中に戻した。塊はまだ残っている感じはあるが、吸水はしているようなので、このまま続行しています。

 

今年のタデアイ、すくも

昨年に続き、今年も庭でのタデアイ栽培を始めた。

家で育てたタデアイで発酵建ての藍染をやりたいと思っているからです。

今年は徳島県城西高校からタデアイの種子を送ってもらい、それを育てている。

徳島県はこれの一大産地。この高校は、元農業高校であり、食物活用科で藍染関連の一連の事を教育の一環で扱っている。私が参考にしている藍染の本の中にこの高校の記載があり、種の配布を行っているという情報を得たので、返信用封筒を送り依頼した。

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一袋に10gと書いてあったが、こんなにたくさん使えるわけでもなく、

種を苗栽培用のポットに10粒くらいいれ、それを6ポットくらい作ったが、

まだまだ、山のように残っている。今は冷蔵庫に保存中。今年しか使えないようだが、

残りはどうしたものか。これを3月に植え、それが大きくなったところでゴールデンウィークの頃に庭に植え替えています。

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これが現在の様子です。6月の末に一度収穫をしてその後のものです。40~50cmくらいの育った時点で、土から10cmくらいを残して、上の部分をハサミで切って歯の収穫をしました。切ったほうは、茎から葉の部分をハサミで切って、ネットに入れて乾燥中です。手で触ると既にパリパリな状態。

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晴れた日には外に出し、雨が降ると家の中に取り込みます。植わっている時には若々しい黄緑色ですが、干した途端に深緑に変色し、インディゴブルーの存在が見えてきます。家の中に入れると緑茶のような爽やかな香りがします。昨年の夏に植えたのは神奈川の農協で購入した苗でしたが、今回のものの方が葉が大きく、1.5倍から2倍ほど大きい感じがします。送ってきたときの指導書には、土作り、雑草取り、肥料の事なども書いてあり、今年の方ができるだけそれに準じて栽培してみようと思っているので、栄養豊富な状態が葉の大きさに反映しているのか、種子の種類が良いのかはよくわかりませんが。

取り合えず、目標としては秋までに3度の葉の収穫をしたいなと考えています。

今のものは乾燥させた後は、袋に入れ、3度分までそのままに。

この乾燥葉の状態から水を加えて発酵させて、乾燥します。そうするとスクモという状態になります。

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秤の上に載った黒い塊がタデアイのスクモ。この時も3度の収穫をしましたが、

最後は170gですね。発酵させて糠みそ状態の時には結構な量、3~4リットルがあるとは思ったが、乾燥するとここまで減ってしまいました。まあ水分が飛んだだけですけどね。この状態の黒い塊は、固く石のようです。ここに消石灰の熱湯を作り、一気に溶かして藍染の開始になります。熱くなった時期が良いようなので、梅雨が明けた7月末あたりにはじめ、秋の涼しくなった10月くらいまでやっているかもしれません。オリンピック、パラリンピック衆議院選、ワクチンなどその頃は世間がどうなっていることやら今年の夏、秋がどうなっていることやらうまく見えませんが、こんな事で楽しめて行けたらと考えています。

久しぶりの記載になります。

2月の味噌作りから、ご無沙汰でした。

暖かい時には藍染をやったり草木染などにトライしてましたが、

冬場になり、トンと活動が鈍ったからかもしれません。

この1か月は、いろいろな意味で大変でした。

私の通信機器の関係でです。

はじめは、ノートPCが壊れました。どうもハードディスクが壊れました。

再起動を何度も行い、システムの再インストールも行いました。

もちろん、中に入っているデータなどは全部捨てる覚悟のうえで。

この頃は、ワードで大きめの文書を作成したり、金銭収支なども行っていたので、どうしようかかなり迷いました。

一時的には復活したのですが、また同じ症状がでたので、新規マシンの購入となりました。そして、手間暇かけてき作成してきたものは全て再作成になりました。

ハードディスクは、レコード盤に針を落とすのと同じように動作部を伴うものなので、それはやめてSSD版のものにしました。

それから2週間と経たないうちに、スマホがピンチ。ディスプレイが白っぽくなりコントラストが出ないだけなく、タッチパネルが全く動作しない。

ネットでも調べたり電気店で聞いたりしましがた、タッチパネルが動作しないと何もできない。仮に修繕に出したとしても作業の第1歩に行うのは、スマホ全体の初期化なので、これまで貯めてきたデータ、写真などは復活の余地なしとのこと。なんだこれも同じ道かとかなり凹む。

そんなこんなでスマホも新規に。かつ、ここに引き継ぐデータはほとんどなし。アドレス等も消え去った。この画面を通じて気が付いた人にはメールを送って欲しいほどです。Gメールも一部にしか使っていなかったので、打撃は大きい。

はてなブログはしばらく手つかずだったのが、どれくらい復帰するのか確認したく、この記載に至りました。それがきっかけで、憂さを払うように再開しました。もう少し対応の余地はあったのかもしれませんが、もうよい事にしました。

こんなハードの不具合の中で考えるべきなのはクラウドです。まだ費用を払ってまで使用していませんが、2度と不幸を起こさない為にもこれが救世主なのかなと感じてはいますが、これからの検討余地です。何を馬鹿なことをやっているのか、もっと良い手段はあるよを気にしつつ、さあ次に行こうと思っている次第です。楽しいこともあるだろうし。

寒仕込み味噌作り

既に2月に入ったが1月に味噌作りを過程で行った。家内が以前から行っていたが、恐らくこの5年くらいは行っていなかった。今回は私が藍染や糠みそなどの発酵を利用したものを手掛けた関係から、味噌作りにチャレンジした。

ネットでも予備知識をつけて、後は家内の指導の元で行いました。準備には大豆2kg、麹2kg、塩。前日の夜に大豆を水に浸して、翌朝から茹で始めた。親指と小指で大豆を挟んでつぶれる程度の柔らかさまで持ち込むという事でした。これが結構大変。結局5時間ほどかかった。これまで大豆を食事で食べていたが、その時は、45分から1時間程度だったので、今回は大変。大豆からタンパク質が出てくるので、温度が上がるとフワフワの泡がでてきて、沸騰してくるとあっという間に鍋から噴きこぼれる。それを避ける為にほぼずっと鍋番を強いられる。我が家で最大の10リットル越えのホーロー鍋を使用しました。

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その間に塩麹の準備です。

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麹と塩が均一に混ざるように、ビニール袋に両方を入れて混ぜます。粒子の大きさが異なるので塩粒はほとんど見えなくなります。

茹で上がった大豆は、下のようなボールに移し、マッシャーで潰す、潰す、潰す。通常で言えば、コロッケを作る時にジャガイモの潰すやつですね。この作業が大変です。潰れない。なかなか細かくならない。ここでやっと柔らかく茹でるの正体を見たりです。

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潰したものを塩麹と混ぜる、混ぜる混ぜる。潰したべっとりした大豆と塩麴が均一になるようにビニール袋の中でこすり付けるように、合わせます。

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最終形がこんな形でした。とはいえ、形がなくぬちゃったとした感じです。写真で今見ても、本当に混ざっているの?大豆はつぶれているのと言いたくなる感じですね。恐らくこれが味噌として出来上がった時に粒感になって現れるかもしれませんね。

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混ざったものを容器にひと握りづつ叩きつけるように容器に入れていきます。空気が入らないようにするためです。そして最後の塩を上からふり、その上からラップして、蓋を被せ、ビニール袋に厳重に入れて終了です。味噌表面はカビやすいので極力雑菌が入らないように注意しました。かと言って、私の手は毎日のように糠みそをかき混ぜていますし、我が家にはパン酵母や、今は休んでいますが藍染もありました。納豆も食べています。そんな中でこの味噌が秋にどのような形でお目見えするか楽しみです。今は台所の床下収納に収まっています。6月ごろ漬けたラッキョや十年来の梅干しの横に収まっています。「手前みそ」という言葉があります。その家で作った味噌には、作り手の手やその家の環境が全て反映されたものができるという意味で、その家の独自の味になるという事だと思います。なんと素敵な言葉ですね。

 

我が家での藍染の終わりに

このブログに我が家での藍染について書いてきました。これが終了しました。

振り返ると、

7月24日に庭のタデアイ(昨年の作成すくも)で藍染開始(1号機)。

8月20日に藍熊染料すくもを追加。

9月12日に藍熊染料すくもで開始(2号機)。

9月30日 今年収穫のタデアイですくも発酵を開始。

11月15日に1号機と2号機を合体。

11月22日に終了。

いろいろ試行錯誤で行ってきたがおよそ4カ月間の藍染が継続した。

一度、染めを行うと藍を消失するが消石灰を混ぜてPH11程度にしておいておくと、藍が改めて発生してくる。時には、日本酒、ぶどう糖、ふすまなどを混ぜてやると一層元気になる。寒くなってくるとホットカーペットも使った。45cm四角程度の小さいものを購入し、アルミの断熱剤をともに段ボール小屋に入れたりもした。こんな事をしていると1週間もすれば、再び染色ができるくらいになる。発酵って面白いな。こんなに長い間、藍染ができるとは思いもしなかった。元気一杯な状態になったから早く布をよこせという感じかな。ターゲットは、Tシャツ、ボタン付きのシャツ(Yシャツ?)、スカート、ハンカチ、巾着、布バック(UKIYOE-TENなどで購入)、帆布、麻糸、ストールなどこんなのを集めるのも大変だったが、結構面白い。染めるには、液の中で両手で絞れるものが良いが、大きなものだとなかなか難しい。素材として200g程度が限界だが、大きいものは部分染めで対応する。綿、麻ならいけるが、水が浸み込み難く、ゴワゴワしたものは苦手。嵩高になるので絞れないのと、藍が上手く繊維にのらない。もともと藍染はインディゴ粒子の付着なので素材への依存も少なくない。もちろん、プロの藍熊染料には染め用の素材が販売されていて、それは流石に染めやすい。そうでない、ユニクロ無印良品当たりで購入したものをやりたくなる。この辺りが次回への課題ですね。

これと平行して草木染も行ってきた。櫨(黄)、蘇芳(赤)、ウコン(黄)など、それぞれの素材を熱湯で煮出し、ろ過して染め液(50~60℃)とする。素材は、シルクならばお湯に通しそのままで染める事ができるが、綿の場合にタンパク質付けが必要で、購入した豆乳(2倍希釈で使用)に入れ、一度乾かす。これだけで一日必要。そして染め液につけた後には媒染処理が必要で、ミョウバン液に漬けて定着する必要がある。糸素材と同重量のウコンを準備して、糸素材の30倍程度の染め液を準備するのが常套なので200gの糸素材で、6リットル程度になる。普通のIHを用いても沸かすのに30分程度かかる。よって染めるだけでも朝から夕方までかかる。そして、染め液が糸を染めれば、染色能力は減っていき、一日で寿命は終わりとなる。

それに比べたら藍染のPH管理は大変だが、常温染めで良く、染めた後も空気に宛てる(ここで何度も染める)、水洗するで良い。当日の染め工程は、1時間もあれば終わる。藍染の場合は、タデアイからの発酵物を使うので、染め液には、葉脈、小さい葉、木灰などが付くので水洗は流しで5~6回行っています。

終了した藍染液は、何倍かに希釈して、もともとタデアイが植わっていた庭に返した。園芸店には消石灰が売っていて、アルカリに変化させるのに使う。木灰も所詮、木を焼いた灰(お線香を立てる灰です)なので、いろいろなものが土に返って役に立っている。今、世界的に持続可能な社会づくりというのが提唱され、企業活動の一つの目標になっている。まさに役割が終わった時には自然に返し、次の世代に利用されることなんだと思いました。

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今回、いろいろテスト染めに使ったものを台紙に張って廊下に置いています。

藍染はさらしを切って1分染めしたものです。アベノマスクも使わせてもらいました。

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綺麗な写真ではありませんが、今年庭で3度収穫したタデアイからすくもです。

発酵状態から乾燥段階に入り、ベランダや部屋の中で過ごしています。だいぶ水分が抜け体積が小さくなりました。まだ、ベタベタなので、カラカラにならないかなと。

そして、このベタベタと一緒に育ったタデアイの仲間の数株が小さな鉢に移され、種が取られるのを待っています。

いずこも、来年夏の出番に備えています。

藍染め部屋ですくも作りも開始

昨年に庭でタデアイ栽培を行ったのと同様に、今年度も栽培が継続している。

9月も末になり陽気もだいぶ涼しくなったので収穫して乾燥葉を作りました。

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写真はタデアイの刈取りを行い、それの茎と葉を分離した時の写真です。

刈取り以上にこの作業は大変です。

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写真は、刈取り時に元気な緑色のタデアイと既に黒く変色した葉が共存しています。

既に水分が抜けていて、藍色になるインディゴが見えているものです。元気な方も乾燥して水分が抜けてくると、あっという間に黒く色が変わって来ます。この固体インディゴをどうやって糸に移動させていくかが藍染になります。

既に今年は7月以降に2度の収穫をして乾燥状態になったものがあるので、それと合体して、小さく手でシャリシャリと砕いていきます。乾燥葉の状態で210gとなりました。そこに水を加えていき、乾燥葉に水を吸わせていき、捏ねる、捏ねる。そうすると体積は半分程度のヌカみそ状態になります。ここから発酵がどうやって起きていくかを毎日2度の検温、かき混ぜ、状態観察して発酵状態を確認していきます。これからが長い旅が始まります。徳島のすくも業者の本では4カ月で完成とありました。

 

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すくも作り開始の時に部屋の中で記念写真を撮りました。下の茶色いホーロー容器が乾燥葉から水を含ませたすくも作りのもの、上の2つが未だ元気で藍染ができる容器の写真です。黒い液体の中で青色を含む泡が見え、これが青色染色の原動力です。

これが実際の容器です。あまり綺麗とは言い難いものです。この2つを一つの部屋の中で一緒に同時に行っているのは結構稀な事ではないかと思っています。徳島のすくも作り業者は作っているボリュームは全く異なりますが4カ月かかるようです。通常藍用のすくもを作る藍師(主に徳島)と、藍染を行う工房は別で藍師から購入して藍染を行います。よってこの2つが共存する事はありません。だから一つの部屋でこの2つの事を行っているのは珍しいケースと思っています。大変な事がまた一つ増えました。藍染がいつまでできるのか、すくもの発酵はいつまで続くのか、どれも発酵が元気かどうかを毎日観察をしていきます。

草木染めへのトライ

今まで藍染について書いてきた。ここでのタイトルは草木染めと書き、藍染以外の草木染めが適切な書き方かもしれません。ここでは赤色の発色の蘇芳(すおう)と黄色発色の櫨(はぜ)ついて行いました。

いずれも木のチップが販売されているので、それを購入して、鍋に入れた沸騰水で20分くらい煮出します。それをさらしでろ過し、煮液を使います。更にろ過されたチップを再度鍋に入れ新たな水を入れ、同様に20分の煮沸し、ろ過し、2番煮液をつくります。これを始めの煮液と合体します。ろ過した時の蘇芳の写真です。これが

一番良い色であるとも言えますね。

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今回は、普通の綿Tシャツ(もちろん白)、無印良品で売っているオーガニックコットンのTシャツ(普通のものより、やや薄く、横方向に厚さの織ムラがある)、シルクのブラウス(着なくなったシルク襦袢をブラウス風、女性用シャツ風に縫い直したもの)をそれぞれ被染着物(染められる素材、糸)とした。これらは予めモノゲン洗剤で洗濯しました。

綿については、草木では染まりが悪いので、タンパク質付けが必要である。今回は市販の無調整豆乳を2倍に水で希釈したものを用いました。同様に牛乳で行う事も出来ます。これの処理の後は、外で一度干して定着させます(これが面倒ですね)。一度一方、シルクは綿とは異なり、草木で染まりますので、豆乳処理は行いません。綿はもちろん綿花から作る植物由来なので、同種の草木では染まらず、カイコからできるシルクの動物由来のものはそのまま染色ができる事になります。羊毛も同様の動物由来となります。

それぞれ、被染着物は予め40℃くらいのお湯に5分程度浸し、水になじませます。それを50~60℃の蘇芳液が入ったボールに漬けてユラユラ動かしながら20分の染色を行いました。この時の蘇芳液は3リットルでした。その後にアルミの媒染液(ミョウバンをお湯に5%溶かしたもの)に20分付けた後に、水洗する事数回。その後に外で干しました。その時の写真が下にあるものです。

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手前の2枚が櫨(はぜ)による綿Tシャツ、3枚目がオーガニックコットンTシャツを蘇芳の後に櫨で2度染めしたもの、4枚目が蘇芳染めの綿Tシャツ、5枚目がシルクを蘇芳染めしたものです。

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これが蘇芳(すおう)で染めた赤の素材による違い写真です。右がシルクで一番良い色が出ている、左が普通のTシャツ、下がオーガニックコットンTシャツでこれの染めがやや弱い。これを見るとやはり昔の着物文化はシルクであり、これに様々な色を草木で行っていたのがわかる。さすがシルクと言える。それは動物由来という事と、織り糸が細いので布自身が目が密に織られている事もある。

この写真にある下のオーガニックコットンTシャツは、後に櫨染めに回り、上の写真の3枚目のものになりました。黄色が入る事でピンクのような色になりました。

令和元年の即位の式典で来た黄櫨染(こうろぜん)の法被には、この2色が少なくとも用いられているのではないかという話がありトライした次第です。色としては程遠いものになってしまった(テレビで見ている感じでは茶に近い色)。ただ、今回それぞれがどのような色になるか、2度染めがどうなるか、被染着物の素材による違いも解ってきたので一つの収穫になった。加えて、藍染と草木染のの違いも見えてきた。それぞれの特徴があって面白い。藍染は綿、麻に比べるとシルクは向いていない。それぞれの得意とする素材で育っていったのも良く分かった。今は草木染から、最後のすくもを使った藍染に戻った次第だ。

もちろん染めたものは自分で来ているし、これをもらって楽しんでくれる人にも提供している。私が来ているのを見て、これって究極のおしゃれだね、と。