革エプロンおやじ

おやじのポケットの中身を紹介していこう!

皆さん、こんにちは。革エプロンおやじです。

還暦を迎えたおやじのポケットの中身を紹介して行きます

男性目線からの生活の楽しみ方になりますが、女性ブロガーも歓迎です。

馬蹄形サイフの作成

先先回にペン立てと重しの事を書きました。通常と異なり目打ちで形成した縫い穴と異なるところを通過しなくてはいけないので苦戦しました。今回はそれの延長として馬蹄形サイフの作成について書きます。

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馬蹄形サイフとはこんなやつです。馬の蹄(ひづめ)の形状に似たもので写真でいうとコインが入るポケット部とコインが広がる被せ(かぶせ)部分があり、持ち歩く時には、その上の写真にあるようにポケット部を被せ部が覆うようにパタンと二つ折にするものです。

そうすると、下の3つのそれぞれのパーツを直角方法に張り合わせ縫っていきます。

  1)瓢箪(ひょうたん、次の写真の型紙参考)型の胴革ーポケット部の柱

  2)ポケット部の柱ーポケット革

  3)瓢箪型の胴革ー被せのマチ

これがペン立ての側面と底革の関係と同じで様々な苦戦を強いられます。

よって、ペン立て⇒重し⇒馬蹄形サイフの順にやろうと企ててました。

どれもミシンによる機械縫いでは難しく、手縫いならではの作品になります。

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今回は、ここに至る過程で4つのトライアルがありました。左下から時計周りの順です。胴革と被せのマチの組合わせで表現すると、こうなります。1)ベージュ胴ーベージュのマチ、2)ベージュ胴ー黄色マチ、3)ベージュ胴ー黒紺マチ、4)紺胴ー黒紺マチ。こんなに作るつもりもなかったが納得いかずに、最低限の辿り着いた道でした。

 

1)ケースでは、ポケットが被せに収まりきれず、やや浮いています。胴革とマチと同じ革を使っています。胴革には厚めの革を用いているので、被せのマチ厚みが大きくポケット部を押し込んでる感じです。よって、被せから広げる時がとても大変です。ネットに出ていた図面を読み取ったつもりでしたが、条件が異なり、ここからがトライアンドエラーの始まりでした。

2)ケースでは、被せマチに黄色革を用いました。この革はベージュ革の厚さの半分になります。そしてコインの出入り口が小さく、出し入れに手間取るので、出入り口を大きくしました。するとポケット部が被せに大方合うようになりました。ただ、マチの厚み分の改善はありましたが、革自身が柔らかく、胴革に対して内側に倒れている感があり、余裕が少なかった。また、ポケット部を入れた時に、被せマチより上にはみ出る部分が多くなっています。写真ではギボシを持ち手として後から付けました。

3)ケースでは、被せマチに黒紺革+芯材を用いほぼ同じ厚みを維持し、ポケット部の半径を1mm小さくしました。これによってポケットを被せに入れた時に、引っかかりがなく、パカーンと開いてしまう事になり、大失敗でした。先端の隙間は4mmくらいありました。これで、被せの円の中心とポケットの円の中心が揃わないと開いてしまう事がわかりました。そこで、胴革を真ん中で切断し、ポケット部を被せに近づけて4mm分近づけて縫ってみました(胴革の折り曲げ部分に手術の後がわかると思います)そうすると比較的収まりが良くなり、開くことはなくなりました。もう少し早く気づけばよかったが、残念です。ここまで失敗するともう一度トライしてみるしかありません。

4)ケースでは、被せにポケットを入れた時の円の位置を合わせ、ポケット部もほぼ被せに合いました。ポケット高さと被せのマチ高さを調整し、同程度の高さに収まるようになりました。一安心です。

写真にはこの時の型紙も付けました。どのケースも型紙を作り、OKと思って作成しましたが、いろいろ考えて居なかった部分が生じ、その都度修正作業をしてここまで辿り着きました。反省時にはノギスも随分と活躍しましたが、もっと便利な道具は無いかなと思うところも随分ありました。重しの時にも、金属重しに革を合わせ混むのが大変でしたが、今回は、ポケット部と被せ部を双方作ってピッタシ合わすという事で、いろいろ想定が発生し、改善トライアルの連続でしたが、だいぶ使用する革の状況と図面上の設計要素は分かってきました。改善点はまだ多いのですが、ちょっと一休みをしてまた頑張ります。